Jメンタル五反田駅前クリニックです。
9月に入り、秋らしくなったかと思った日もありましたが、また日中は真夏の暑さが戻ってきました。
「行動療法」とは、『刺激→反応』の結び付きから行動を説明する理論を基に発展した、心理療法の一つです。
本日はその行動療法の中でも、「シェイピング法」と呼ばれるものをご紹介します。
シェイピング、スモールステップ
「シェイピング法」とは、習得が望まれる行動に近い行動をとったときに、その行動を褒めて強める(=“強化する”)というやり方です。
子育て等において、お母さんがお子さんに対して望ましい行動をした時に大げさに褒めたり、好きなご褒美をしたりすると、お子さんが伸びていく……といった感じの状況を想像してください。
これを応用してご自身の行動変容や行動強化に用いる場合は、スモールステップでの行動変容が挙げられます。
苦手な場面を克服するのに用いることが多いのですが、出社拒否や会社に行き辛いお気持ちが強い方が、
まず定時に家から出るという所から始めて、それが出来るようになったら、
次に地元の最寄り駅まで行ってみる、
次に隣の駅まで行ってみる、
乗り換えの駅まで行ってみる
会社の最寄り駅まで行ってみる
会社の門(入口)まで行ってみる
……と小さいステップ(=スモールステップ)で状況を工夫し、最後に目標としていた「会社に行く」という行動まで持っていくといったものです。
つまり「シェイピング法」とは、最終目標とする行動(=「標的行動」)を獲得するまでの道のりを段階的に分け、それを一つずつクリアすることによって、最終的には“新しい行動”を獲得しようという方法です。
シェイピングを成功させる為には、いくつかのポイントがあります。
まず1つ目は、最終目標とする行動(標的行動)を明確化することです。
どんな場合でも、目標が明確でなければ意欲的に取り組めません。
同様に、獲得しようとする行動を明確に出来ることは、意欲やモチベーションを高め、目標達成を促進してくれます。
2つ目は、ステップを適確に設定することです。
それぞれのステップが、遂行可能なものであり、各ステップの幅にも無理がなく、なおかつ簡単すぎないことが大切です。
3つ目は、各ステップでその行動が成功した場合、確実に“強化する”(=誉める、認める、賞賛する)ことです。
「自分はこの行動が確実に出来るようになった」という実感を得ることは、その後の行動意欲を高めるために非常に重要です。
誰かに報告をしたり、自分自身にご褒美をあげたりすることがおすすめです。
この方法を用いて克服してみたい「具体的な不安場面」はありますか?
目標とする行動を行う為には、いきなり大きな目標を立ててしまうと、かえって何も出来ないといった状況に陥りやすいものです。
できるだけ取り組みやすく、実行しやすいものから、具体的に順序立てて挑戦していくことで、「また出来なかった」という思いよりも、「段階をまた1つクリアすることが出来た!」という思いや自信を積み重ねていくことになり、それがまた次のステップ(段階)に挑戦するモチベーションにも繋がります。
無理をして大きな理想を掲げるよりも、目標を確実に達成する為には、小さなステップ(スモールステップ)の方が近道ともいわれています。
ぜひこの方法を試してみてください。
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