今回はいつもと少しテーマが変わり、目下の新型コロナ状況下において特に、
心療内科と致しまして、皆様に気をつけて頂きたい症状・疾病について概説させて頂きます。
強迫性障害:強迫性障害にも様々な分類がありますが、中でもこの時期に増える可能性が高いものは、
「不潔恐怖」や、場合によってそれに伴う「洗浄強迫」があります。
確かに手洗いはこの時期は大切なことでありますが、それが余りにも「度か過ぎている場合」、
実は背後に強迫性障害が潜んでいることもあるので注意が必要です。
全般性不安障害:不安障害は、「特定の対象についての不安」と「漠然とした不安」に分けられ、
特に後者を「全般性不安障害」と呼びます。
勿論人は大なり小なり「(将来等に対する)漠然とした不安」を持っていますが、
こちらも先の強迫性障害と同じく、「程度」の問題とも言えます。
そういった不安の余り、長期に渡り、生活全般や社会生活に支障を来たしたりするのであれば、
この疾病の可能性も考えられてくるでしょう。
依存症全般(アルコール依存、ネット依存、ギャンブル依存、ゲーム障害など):
学生さんにとっては長期のお休みであり、社会人にとっては在宅ワークが可能な現在、
実は潜在的なリスクがかなり高いのが、これた依存症関連のものでしょう。
これは、脳の報酬系の強化や、生活習慣等によって、徐々に徐々に進行し、
気がついた時には「止めたくても止められない」状態になっているという怖さがあります。
勿論、気分転換や楽しみとして嗜む分には問題はありません。
しかし、主導権がその対象(アルコール、ネット、ギャンブル、ゲーム)に移行してしまうと、
人はそれらの支配下にいとも簡単に置かれてしまいます。
こちらに関しては、早目に本人、
あるいは周囲にいる人たち(同居家族など)が気付いてあげることが肝要でしょう。
認知症(特に、アルツハイマー型認知症):
認知症、特にアルツハイマー型認知症に関しては、「65歳以下」で発症した場合「早発性」と呼ばれ、
つまり、それ以上の年齢の方、特に70歳を過ぎると発症率が高まってきます。
実はアルツハイマー型認知症の予防には、運動や栄養管理もさることながら、
「対人コミュニケーション」を頻繁にとることが大きな意味をもっています。
そういった意味において、人との会話や接触機会が制限されている今現在の状況は、
アルツハイマー型認知症の予防的観点からすると、高いリスクがあると言えるでしょう。
同居されているご家族がいらっしゃれば、会話の機会を意識的・積極的に取ることを
ぜひお勧めさせて頂きます。
まずは第1回目としまして、上記の4つの疾病についてを記載させて頂きました。
これを読まれて、御自分やご家族の最近の変化として気に掛かるものがありましたら、
早目に心療内科の受診をお勧めします。
何故ならば、早期発見・早期治療開始が大きな「鍵」となってくるからです。
Presented by.Jメンタル五反田駅前クリニック(心療内科・精神科・漢方内科)