自律神経失調症について

自律神経失調症とは?

「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの(日本心身医学会より)」と、定義されています。
これを分かりやすく言い換えると・・・

①自律神経の機能障害によって、心と体に原因不明のさまざまな不調が現れる
②病院で検査しても臓器や器官に病的変化は認められない
という意味になります。不定愁訴とは、例えば「頭が重い」「気分が落ち込む」「めまいがする」など現れたり消えたりする不快な症状で、検査して原因が不明なものをこう呼んでいます。

自律神経失調症はこんな病気

日本独自の病名である自律神経失調症を取り巻く環境は、まだきちんと整理されていません。医師のとらえ方や治療方針もまちまちです。
例えば、あくまでも器官や臓器の病変にこだわり「慢性胃炎」「過敏性腸症候群」等の特定の病名をつけて治療に当たる医師もいます。また、自律神経失調症は原因不明の症状に診断名を与える便利な側面もあります。患者さんにとっても今までの不快な症状にはっきりした病名がつき、安心する人が多いようです。
しかし、自律神経失調症と診断された患者さんの中には、神経症やうつ病、身体病がひそんでいる場合も多く、単なる「病気と健康のはざま」で片づけられないこともあるので注意が必要です。
頭痛、肩こり、倦怠感、胃の不調などのつらい自覚症状があるのに、病院での検査結果はいつも異常なし。そんな人は、自律神経の乱れを疑ってみて下さい!!

自律神経失調症のおもな特徴 ~体や心に現れる不調のいろいろ~

 自律神経失調症の症状は、さまざまな器官に現れる可能性があり、個人差が大きいのが特徴です。そして、その症状は頭部から肩、心臓、呼吸器系、血管系、皮膚、胃腸、足の先まで、全身のいたるところに現れます。また、身体的な不調だけでなく、人により精神面での不調を伴う場合も多くあります。
身体症状も精神症状も決まったパターンがなく、人によって現れ方や程度はさまざまです。

身体症状の代表的なもの・・・
頭痛、肩こり、動悸、息切れ、喉の異物感、立ちくらみ、手足のしびれ吐き気、腹部の不快感、下痢、便秘など
精神症状の代表的なもの・・・
イライラや憂うつ感、不安感の増加、好奇心の喪失、集中力・記憶力の低下
全身症状の代表的なもの・・・
めまい、疲れやすく力が入らない、夜眠れない、食欲減退など
  • 身体症状
  • 精神症状
  • 全身症状

自律神経失調症が起こるおもな原因

自律神経のバランスが乱れる2大原因は、ストレスと不規則な生活スタイルです。自律神経失調症は現代の忙しい社会環境が生んだ現代病とも言えます。
ストレスのもとは、心や体に不安・いらだち・緊張・動悸などのさまざまなゆがみを生じさせてしまう外的・内的な刺激です。また、ストレスに加えて生活リズムの乱れも大きな影響を与えると言われています。
人間の体には、夜寝て朝起きるなど、ある一定のリズムがあります。ところが、現代では本来のリズムに反した夜型の生活をしている人が少なくありません。また、仕事や子育てなどで夜更かしが続いたり、決まった時間に食事がとれていない人も増えています。

ストレス・・・
人間関係や環境の変化などの外的要因によるストレス、性格・体質などの内的要因によるストレス
生活リズムの乱れ・・・
慢性的な寝不足、夜更かし・昼と夜の逆転、習慣的な深酒・喫煙、朝食抜きなどの不規則な食生活

治療の第一歩は?!

自律神経失調症は、おもに心理的な負担や不規則な生活習慣、あるいはその両方が影響して自律神経機能のバランスがくずれるために起こります。
心理的な負担は、心のストレスに、不規則な生活習慣は体にとってストレスになるものです。別な言い方をすると、自律神経失調症は心と体が受けたストレスに自律神経が過敏に反応している状態ということです。
自律神経失調症の治療はまず、自分が何にストレスを感じているかを確認することから始まります!!
私たちの日常には、たくさんのストレスがひそんでいますが、五感を通して受け取るさまざまな刺激(身体的ストレスと精神的ストレス)を自覚することが重要です。
また、治療にはいくつかの方法があります。

薬物療法・・・
薬によってつらい症状を緩和させましょう。医師と十分に話し合い、薬を用いる理由や効果、副作用などを良く理解しましょう。イライラや不安など、心身の不快な症状を取り除きます。
心理療法・・・
カウンセリング、認知行動療法、自律訓練法、リラクゼーション法など。専門の心理士による治療促進を目的としたものです。心理的要因を探り、ストレス耐性を高めたり心身の安定を図ります。
理学療法・・・
肩こりや頭痛、手足のしびれなどの体の症状を和らぎます。マッサージや指圧、温熱療法などがあります。
自己治癒力を高める・・・
漢方療法、リラクゼーション、生活リズム・食生活を整えていきます。食事や睡 眠、運動などの生活習慣を見直し、問題がある場合は改善していきましょう。自律神経が働きやすい体つくりをしましょう。

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