過敏性腸症候群(IBS)の症状について
過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome;以下、IBSと記す)は、下痢と腹痛を主症状とする機能性疾患です。脳腸相関を介して発生する症候群です。
単純な下痢や便秘と大きく異なる点は、主な原因がストレスであることと、
腹痛やお腹の張り、お腹が鳴ったり、ゴロゴロしたりする、といった、不快な腹部症状を伴うことです。
その他に、IBSによって、不眠や不安・抑うつなど、胃腸以外の症状を引き起こしてしまう人もいます。
IBSの症状が酷くなってしまうと、
・電車や車の中で急にトイレに行きたくなる
・学校や会社に行けなくない
・外出を控えるようになる
など生活の質(QOL)を著しく低下させてしまう場合もあります。
過去3か月間、月3日以上にわたって、腹痛や腹部の不快感が繰り返し起こり、
なおかつ、以下の項目の2つ以上に当てはまる場合を、過敏性腸症候群(IBS)であると定義しています。
① 排便によって、症状が軽減する。
② 発症時に、排便頻度の変化がある。
③ 発症時に便形状(外観)の変化がある。
またIBSは、症状によって、以下のようなタイプ分けがなされています(RomaⅢ、2006)。
タイプ名 | 特徴 |
---|---|
下痢型 | 「泥状便・水様便」が多い。下痢症状は男性に多い。 |
便秘型 | 「軽い便・コロコロ便」が多い。便秘症状は女性に多い。 |
混合型 | 「泥状便・水様便」になったり、「軽い便・コロコロ便」になったりする。 |
分類不能型 | 上記のどれにも当てはまらない。 |
IBSは、自己流の対処を続けているだけでは、治りにくい病気です。
背後に重い精神疾患が隠れていることも、稀にあります。